【登壇者】
ケアパートナー株式会社
 総務部 総務課 課長 市川 真弓 氏
シスメックス株式会社
 総務部 総務課 シニアプランナー 杉本 修一 氏
コロナ禍をきっかけに、購買業務での課題を認識
ケアパートナーとシスメックスが購買改革に取り組むことになった背景には、それぞれ異なる、しかし共通する課題意識がありました。
ケアパートナーの市川氏は、コロナ禍での売上減少や介護業界の人材不足といった経営課題に直面し、総務部として現場の間接材に関する業務と経費の双方の削減が急務であると認識していました。特に消耗品については、「現場が自由に購入できる状況にあり、厳正な管理と経費削減の両立が必要でした」と振り返ります。
当初は経費削減が直接購買改革に繋がったわけではなく、Amazonビジネスの提案の中で経営課題に対して購買領域でできること、そして購買改革の中で本来業務への時間を増やすことを提案されたことがきっかけでした。市川氏は「購買業務は会社の中でも効率化が進んでいなかったので効果が見えやすい。商品を安く買うだけではなく、相見積もりを取る行為自体を減らすことで、購買業務コストを減らせるという点に可能性を見出しました」と話します。
一方、シスメックスの杉本氏は、購買改革のきっかけとして、コロナ禍で物品調達が困難になったことを挙げます。ほかにも「個人による高額な立替払い、事後承認の横行、不適切な購入先といった課題が顕在化していました」と振り返ります。
さらに深刻だったのは、個人のAmazonアカウントや正式な企業に紐づかないAmazonビジネスアカウントが乱立し、その購買額はAmazonでの購買だけで年間約3,000万円にも及ぶと同時に「ブラックボックス化」していたことでした。また、同じ取引先でも取引条件が異なったり、Amazonアカウントごとに支払い条件が変わったりと、非効率な状況が散見されました。
可視化とデータ分析で、Amazonビジネスによるコスト効果を確信
間接購買の課題解決に向けて具体的なアクションを起こした両社に共通するのは「可視化」です。
シスメックスの杉本氏は、まず「間接材購買の言語化」から着手しました。既存のネット販売サイト(Amazonを含む計5社)のメリットとデメリットを可視化する作業を行い、現場へのヒアリングを通じて「何をどこで」「どれくらいのコストで調達しているか」をまとめました。さらに、一部のサプライヤーの購買実績をAmazonビジネスの担当者に分析してもらい、Amazonビジネスを全社導入するメリットを経営層の視点でも可視化していきました。
杉本氏は、Amazonビジネスを選定した具体的な理由として、「Amazonの圧倒的な品揃え」に加え、「購入時の事前承認機能」「部門ごとの請求書払い設定」「購買実績の長期間保存」を挙げます。ちょうどこの時期が電子帳簿保存法の改正タイミングと重なり、経営層も投資に踏み切る大きな後押しとなりました。
このサプライヤーの洗い出しと分析は約半年かけて行い、各部門の購買状況を把握するために経理部門と協力し、支払先マスターから購入額の多い部門を特定し、ヒアリングを実施していきました。
ケアパートナーの市川氏も、現状把握のために現場で購入しているサプライヤー、金額、購入品目の洗い出しから始めました。各サプライヤーの購買履歴を分析した結果、「Amazonビジネスを導入することで明確なコスト削減効果が得られることが判明しました」と語ります。
また、サプライヤーを絞り込むことで現場の購入にかかる時間を削減でき、コスト削減にもつながることを理解。導入の決め手となったのは、サプライヤー集約に必要な圧倒的な品揃え、Amazonビジネスのセキュリティに対する信頼と、多くの社員がプライベートでAmazonを利用しているため、抵抗なくスムーズに導入できるという点でした。
「Amazonはなんとなく安いという漠然としたものではなく、しっかり根拠を持ってコスト削減ができるということが分かりました」と市川氏は振り返ります。
コスト削減、業務効率化、統制強化など多岐にわたる効果を実感
可視化によって無駄の所在が明らかになった両社は、現在、さらなる購買改革を進めています。
シスメックスの杉本氏は、「サプライヤー集約」と「さらなる一歩先へ」というテーマで取り組みを紹介しました。現在5社ある既存サプライヤーを、Amazonとの購買実績の確認を通じて価格比較を実施した結果、まず4社に集約できることを確認。さらに、社名ロゴ入りの紙袋や封筒といった「社内品」の取り扱いについて、これまで外部のサイトに委託していた業務をグループ内の特例子会社に移管する取り組みを進めていると述べました。これは新たな雇用創出を目的としたものであり、間接材購買をAmazonビジネスに集約することでコストメリットを強化できると考えています。
また、内部統制を強化するため、Amazonビジネスの最大6階層まで設定可能な承認機能を活用し、承認機能のあるサイトに限定していく方針も示しました。さらに「一歩先へ」として、製造現場におけるMRO商材(保守・修理・運用資材)の購買改革にも着手しています。価格面だけでなく、在庫の安定性や使い勝手といった現場の懸念を解消するため、現場のヒアリングやサンプル提供を通じて、Amazonビジネスへの切り替えを推進していく考えです。
ケアパートナーの市川氏は、「現場に発注させない」というユニークな取り組みを紹介しました。Amazonビジネスの推奨品を頻繁に周知しても、現場ではこれまでの購入習慣がなかなか変わらず、推奨品が購入されない状況にありました。そこで市川氏は、購買の7工程(ログイン、候補選定、比較、決定、発注、受け取り、検品)のうち、現場が必ず行わなければならないのは「受け取り」と「検品」の2工程だけという点に着目し、ログインから発注までを総務部で行う「定期購買」を構想しました。
この構想は複数のサプライヤーに打診したものの、具体的にすぐ動き出してくれたのはAmazonだけだったと言います。現在、半月に一度、ペーパータオルとニトリルグローブを最低価格で必要な数量、現場に自動で送り届ける取り組みを実施しており、その結果、ペーパータオルだけでも年間数百万円のコスト削減に成功しています。
この取り組みは現場からも好評で、「こんな商品も勝手に届くようにしてほしい」というリクエストも寄せられているそうです。さらに、大東建託の持分法適用会社の株式会社ソラストとの共同購買を通じて、スケールメリットを追求し、グループ全体での経営課題解決に向けて協力していると話しました。
以上のように、両社の具体的な取り組みと成功事例は、間接購買の可視化が単なるコスト削減に留まらず、業務効率化、内部統制強化、さらには新たな雇用創出といった多岐にわたるメリットをもたらすことを示しました。Amazonビジネスの活用は、企業が直面するさまざまな課題に対し、戦略的な解決策を提供し、企業価値向上に貢献する可能性を秘めていると言えるでしょう。
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